
友人の誘いで屋久島に住むことになったMさんは、友人の別荘の管理をしながら、離れに暮らしている。原地区の山手のポンカン畑の合い間。1300坪ほどの敷地に家が建っている。

パパイヤ、マンゴー、バナナなどフルーツの木のほかに、せんだんの木や魚木(ぎょぼく)などの木が茂っている。(魚木はツマベニチョウの食草)手入れされた庭には池があり、湧き水の音が涼しさを誘っていた。鯉や金魚、白めだか、グッピーもいる。

「この庭には、蝶やカミキリムシが卵を産みにきます。屋久島の場合、卵を産んでから孵化して蝶になるまで、およそ23日くらいでしょうか。ときどき島内のあちらこちらに虫を採取しに行きます。あらかじめ仕掛けをしておいてから行くので、たいてい何かしらは仕掛けのかごに入っていますよ。
庭では、夜行性のカミキリムシを捕まえるため、切り倒した木の枝を日陰に立てかけて置き、夜そっと捕まえます。ミヤマカラスアゲハ、ツバメニチョウ、クロモンキイロイエカミキリ、何でもありますよ」と、標本を見せてくれるMさん。

酢酸エチルとナフタリンの匂いが立ち込める箱の中に、針をつけられた虫たちが整然と並び、採取した日にちと名前と場所が書いてある。吹けば飛ぶような小さい虫にも名前がつけられ、生きていたころの鮮明さはあるが、微塵たりとも動きはしない。

蝶が一番好きだというMさんだが、カミキリムシの話になると目がいちだんと輝く。Mさんが一番好きなのは、実はクロモンキイロイエカミキリではないかと思う。近々来る友人に見せたいと、それまでは大切に世話をするという。その後はもちろん標本になってしまうのだが。

「夜になるとカブトムシ、クワガタも来ますよ。屋久島はカブトムシがたくさん居ますが、全体的に角が小さめですね」とMさん。
虫に囲まれて暮らすMさんは、屋久島で15回目の夏を迎える。
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