「この崖をおりていって立神岩のところではイシガキダイが釣れますよ。崖は石がくずれやすいので注意が必要ですが」とKさん。

途中でサルが出てきた。
「昔の山師の言い伝えで、サルのことをサルと言わずに“山のあんちゃん”と言ったものです。サルという言葉を使うと、山に入っても仕事ができない状態になり山から去るからだそうです。山のあんちゃんの方が親しみがあっていいでしょう?また、川を渡るときは川の神がびっくりしないように、咳払いをして人間がちかづいていることを知らせるという言い伝えが今でもありますよ」

この日は雨模様であったが、西部林道を途中まで行くと雨もあがり、一湊で釣りをすることにした。
「一湊から見た口永良部島は、ムーミン島と呼ばれています。小さい子供のいる人たちは、子供にそう教えたりしています。ちょうどムーミンが仰向けで寝ているみたいに見えるでしょう?」
そう言われれば見えないこともないが・・・。

一湊トンネルを越えるとKさんが言った。
「私たちが高校生の頃は、このトンネルの『かっかっかっ』伝説がはやっていました。なぜかトンネルの出口にカーブミラーがその頃はあって、車のバックミラーからカーブミラーを見ると、上半身だけの人がかっかっかっと追いかけてくるが、振り返ると誰も居ないっていわれてました。屋久島でたったひとつしかないトンネルだから、怖い話がひろがったのかもしれませんね」カーブミラーが、何のためかぜんぜん意味のない場所にあったそうだ。

一湊漁港の中でKさんは釣りを始めた。撒きえをしてエビを針につけて垂れていたら、ヘキの群れがたくさん集まってきた。しかし、どういうわけかぜんぜん釣れなかった。最後にムレハタタテダイが釣れたので、帰ることにした。

屋久島生まれの人の話はとても参考になる。ガイドブックには載っていない面白い話がまだまだありそうだ。
人気blogランキング ←1日1クリック!応援よろしくお願いします。
くつろぐ ・ ブログ村(地域生活-鹿児島) ・ ドットネット(地域-九州) ←こちらもお願いします。