屋久島西南部の中間地区で生まれた日高英世さん(65歳)は、都会で働いた後、30歳のときに屋久島へ帰って来たそうだ。友達に誘われたのがきっかけで屋久杉工芸に携わることになったという。

「天の声を聞いてこの道に入りました。作品を作っているときに天の声が聞こえるのでそれに従っているのです。人との出会いも宇宙の流れなのです。長い間乾燥させた材料を使い、自信のある作品を作っていると、お金は人の姿をした人が持ってきてくれます。
商売としての作品ではなく、価値をわかって気に入ってくれる人に縁があれば良いのです。だから、あえて県道沿いに店は出していません。口コミでお客さんが来てくれます。

以前は宮之浦で工房をしておりまして、そこは残したまま本拠地を小瀬田に移しました。屋久杉と寝起きを共にしています。作品にはあえて値段をつけていないものがほとんどです。
屋久島には最近若い男女が来られますが、男性は草食男子が多い感じですね。女性のほうが積極的ですね。男性は屋久島に来たらもっと女性をリードしなければなりません。
私のところへ人生相談に来られる方がいますが、たいていの場合は解決します。宇宙の流れで人生は動いています。

玄関に飾っている森の精の置物は、28年前に実生から育てた杉で作りました。森の精を作るきっかけとなったのは、白谷雲水峡へ行ったときちょうど木々の間から木漏れ日が差し込み樹たちが喜んでいたのです。『木漏れ日に嬉々と唄うは森の精』という言葉が頭をよぎり、さっそく作品作りに取り掛かりました。四対の森の精たちは私の一番のお気に入りです。
私には、弟子一人に孫弟子が三人います。その中で秋田から4年前に移住した女性は、普段は管理栄養士で働いていて、休みの日にはうちで修行をしています」と、英世さんは話してくれた。

英世さんの作品は、どれも心を込めて作ってある。屋久島には数多くの屋久杉工房があるが、一度は見学に行ってみてと知人に導かれ、私は岳南に行ったのだった。
玄関に置かれたのびやかな森の精。孫弟子は英世さんにとってひょっとして森の精なのだろうか。
屋久杉岳南、ギャラリー樹馨 日高英世
屋久島町小瀬田835-74 TEL/FAX 0997-49-4808
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